「建築以前」カテゴリーアーカイブ

物件見学

2001年12月某日 前述Kさんと連絡を取り、実際に物件を見せていただくこととなった。当然、候補は南阿蘇。久木野と高森の物件を見せてもらうことに。まずは待ち合わせ、長身に人懐っこい笑顔のKさんが登場。電話でもそうだったけど、なかなかの好印象。ウェブでも読んでいて知っていたけど、トランペットを吹かれるそうで趣味も合いそうです。まずは久木野の物件。グリーンピア南阿蘇のすぐ近くで、未舗装私道を300メートルほど入っていった、もろに山林。切り株や枝など、まだあちこちに散らかっており、ワイルドそのもの。4000坪以上の土地を何筆かに分筆して売るつもりらしい。反(300坪)180万ということだけど、理想は『自分だけの楽園』なんで、隣に他の家が建つのは避けたいなあ。そうなると2000坪以上は買わなくちゃいけないから、1000万超える?う~ん、ちょっと高いかも。眺望は残念ながらほとんど無く(杉林に隠されてしまう)、水は井戸を掘らねばならない。ま、それは覚悟しているから良いんだけどね。美味しい地下水にはお金をかけましょう。静かで広くて良いんだけど、今ひとつ決め手に欠けるかなあ。あとちょっと安かったら即買いなのに。次に高森の物件。高森は白水のさらに東で、熊本市からはかなり離れる。この物件、もとは畜産業者で、牛舎が建っているのだ。立派な鉄骨造りの牛舎、工夫すれば面白そうだけど、どうにも利用法が想像出来ないんだな、これが。眺望は目の前に根子岳(阿蘇五岳の一つ。ギザギザな形が特徴)が一望でき素晴らしいんだけど。ん~、ちょっと難しいか。

久木野って・・・

小国に萎えてしまったたまさんは、今度は「都会に近い田舎」を探すべく、南阿蘇方面に触手を伸ばしました。南阿蘇は、その名の通り阿蘇の南側。阿蘇山は世界一のカルデラ火山として知られており、外輪山とその中心にある阿蘇五岳からなりたっておりますが、南阿蘇はその南外輪山の内側にあたります。実は熊本市内から程近く、40分ほどで着いてしまいます。しかも現在、『俵山トンネル』工事に着工中。トンネル完成の暁には、熊本市内から南阿蘇への通行が時間的に短縮されるだけでなく、俵山越えをしなくても良くなります。当然これから人気も増し、地価も上がっていくことでしょう。その俵山を越えた、南阿蘇の入り口に広がるのが、久木野村です。久木野村は人口2500人程度の小さな村ですが、グリーンピア南阿蘇・アスペクタ(野外ライブ会場)などを持ち、おしゃれなお店も増えて人気が上がってきている土地です。久木野など南阿蘇を印象付ける特徴の一つは、北外輪山の大観望(映画「ユリイカ」でも出てきました、大変眺めの良い場所)等からの眺め(阿蘇五岳が仏様の横たわった姿のように見えるため、『涅槃仏』と呼ばれます)とは異なる、その眺めです。北外輪からは崇高で力強い阿蘇が見られますが、南外輪からは暖かくやさしい阿蘇が見られます。また湧水の豊富な阿蘇の中でも最も水が豊富な地域の一つで、特に久木野村の東隣、白水村の白川水源は有名です。日本一 (だったかな?)長い駅名を持つ、「南阿蘇水の生まれる里白水高原駅」という駅もここにあります。庭先をちょっと掘れば水が出る、それくらい水豊かなところで、久木野村もまた例に漏れず、水豊かな土地です。こいつは名水に魅せられた人間としてはたまりませんよね。ドライブ中、久木野中学校のちょっと上手を走っていたときのこと、「売地」の看板発見。車を停めてみると・・・何なんだこの眺めは!阿蘇五岳が一望。それも自分の庭にあつらえたかののような見事な借景!この景色にはノックアウトされました!早速看板記載の不動産会社にコンタクトを取ってみると、この土地は1000坪の広さ、坪2万円とのこと。う~ん、2000万か・・・ちょっと(いやかなり ^^;;)厳しい・・・。坪2万円というのは決して高くないし(法面や排水も工事されており、通常ならば4~5万はしてもおかしくない)、飲食店などをやるにしてもすごく良い立地。だが現行地目は農地とのこと、地目変更をせねば家が建たない。価格と地目、難題多し。う~ん、眺めは最高なんだけどな。

小国って・・・

2001年11月 小国に何度か足を運ぶ。小国杉が有名で、杉を豊富に作った建物も多い。実はたまさん、素材フェチなんですわ(笑)杉の素材にうっとりと、高評価です(笑)。南小国には蕎麦屋さんが多く存在し、なかなか美味しく、またお店がおしゃれなところも多くて高評価。貸切露天風呂もあり、陶然としちゃっています。2001年11月18 日 今日はしし座流星群の日。なんか今年はすごいらしいとのことで、阿蘇方面もごった返し。カップルカップル・・・いや寒いのにご苦労様(自分もね)。いよいよショーの始まり!おお!すごい!!半端じゃない量と大きさに大満足。いやー、見にきてよかった。その大満足の勢いで、再度小国の貸切露天風呂を目指すが・・・遠い!!深夜の疲れた身体には、普段どおってことの無い道のりも大きくのしかかってくる。なんて遠いんだ小国は!!しかも霧も出てるし・・・。熊本市内に夜まで用事が多い自分たちとしては(オケの練習なんかね)、毎晩この道のりを通るのかと思うと・・・ちょっと萎えてしまった・・・。やっぱり「都会に遠い田舎」はキライかも。

探索開始!

2001年秋 文調も変わってしまった(^^;;シリアスな出来事も大事には至らず、ピンチヒッターからも開放されて日常を取り戻したたまさんですが、いよいよ田舎物件探索に乗り出しました。まずはインターネットで検索検索。あまり数は多く無いものの、熊本でも田舎物件を扱っている業者の方はいらっしゃいます。なかでも手作りの味のあるKさんのページは、その人柄がにじみ出ているようで好印象。物件も安い!特に小国地方は安いな~。小国は阿蘇地方の最北端で、すぐ隣は大分県九重。夏は涼しそう(たまさんは暑さに弱いのであった)。黒川温泉に代表される(正確には黒川温泉は南小国町だけど)温泉地がたくさんあって、観光地としても売出し中。ピンチヒッター時の仕事で周ってもいて馴染みもあるし、都会人の移住にも町として理解があるらしい。よ~し、小国を中心に探してみるかな。

熊本って・・・いいじゃん!

ピンチヒッターのお仕事、しんちゃんの担当は熊本県全域に渡っており、海沿いの天草列島の最南端から、阿蘇地方の最北端にまでお客さんがいた。とりあえずお客さんに迷惑をかけないため、しんちゃんが周っていたのと同じスケジュールで県内を周る日々が始まった。正直な話、私はあまり熊本が好きじゃなかった。事実、大学時代は岡山で6年間を過ごした。私の住みたい場所は、「都会に近い田舎」だった。大阪まで車で3時間ほどで行ける岡山は理想の地だった。しかし事情で熊本に戻ってきて、都会に遠い田舎である熊本を心から好きではなかった。ところがこの仕事で県内全域を周って、初めて熊本の魅力に気付かされた。豊かな自然、特に阿蘇山の雄大な眺めは心ときめくものがあった。「人生は一度きり。好きなことをして悔いなく生きなきゃ、いつぽっくり行ってしまうかわからないじゃないか。せっかく熊本に住んでいるんだから、世界一のカルデラ、阿蘇に抱かれて住むのは最高の贅沢じゃないか?」急にそう思えてきたのだった。結局、約1ヵ月半の間、しんちゃんのピンチヒッターをした。しんちゃんは、奇跡的に何の後遺症も無く、完全に元の状態で社会復帰できた。8月半ばに倒れたが、10月には仕事に復帰したのである。私は、しんちゃんの奇跡的な幸運に感謝しながらも、次は自分に何か降りかかるかもしれない、悔いなく好きなことをやらねばと考えるようになった。