うちのすぐそばに、最近開発された「光の森」という新興住宅地があります。大型ショッピングモールや飲食店、シネコンなど多数進出しており、『いかにも』な住宅地ですが、便利なことはこの上なく、我々も買い物や映画鑑賞などによく利用しております。住もうという気は全然起こりませんけどね。さて、そこに設置されている住宅展示場。普通よくある展示場と違い、実際に分譲する建物を事前公開する形で行われている展示場です。展示期間終了後には、施主に引き渡されるわけ。身の丈に合った程良いクラスの建物は、ゴージャスな『展示のための展示場』よりも参考になります。その展示場の第三期オープンだったので、記念品目当てに新居建設の参考にと行ってまいりました。実際の施主さんが発注した建物ですから、広さも作りも建材のグレードも、とんでもないモノはありません。ごく普通でした。そこで感じたこと。最近『木の家』が流行で、雑誌なんかもそれ一色ですが、実際はやはりコストの関係からか、いわゆる『新建材』を使った家が多いと言うこと。地場メーカー。床は黒いPタイル、壁は真っ白なビニールクロス。モダンなコントラストの家も、歩いていると足は痛くなるし(そのせいか、執拗にスリッパ履くことを勧められた)、冷たい印象です。高級感を求めた結果なのでしょうが、でもやっぱり大理石や御影石とは質感も違うし、塗り壁に比べるとシックハウスが心配。確かに格好良いモダンなおうちでしたけどね・・・。2800万円だとか。大手メーカー。スキップフロアが素敵で、床暖房で暖かい家。だけれど、なんか落ち着かない・・・。合板の床、収納の中も合板。これもまた、暖かみを感じさせる素材が少ない。作りは格好良かったんですけれど。いつも見ていたこのメーカーの別の展示場とは、素材感が全く違ってしまった。1軒だけ、地場工務店でなかなか良いなと思える家がありましたが、そこはやはり割り切った建材の選び方が低コストに繋がっているようでした。フローリングは無垢のメープルでしたが、これがCグレードあたりの木目がそろっていないモノ。でも質感は全く問題はなく、逆に見た目の変化があって面白い。Aグレードの下手したら『のっぺり』としたメープルよりも面白くて、かつ大幅に安く上がりそう。塗装も自然素材のワックス使用。階段はラワン合板で安価に作ってあり、でも建具には良い物を使用。断熱もアイシネン。これで建物の価格は、42坪で2100万円だとか。なかなかまじめで、かつ良い作りでした。これらに比べて我が家ですが、上棟までの外注費とその後の材料費だけで、すでに1500万はかかりそう。単純に坪数で割って、35万くらいとなってます。ハーフビルドだから、かなりの部分の大工さんへの賃金をカットした状態でですよ。ちょっと良い材料を採用すると、これくらいに跳ね上がっちゃいます。最近テレビCMなどでよく言っている、「坪23万円から」とかいうの、いったいどうなってるんでしょうね?一体どんな材料を使ってるんだろ?どんな構造材なんだろ?もちろん、実際に坪23万円では建たないらしいけど。いや、家というモノは実に不思議な商品ですね。